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だこつのこべや
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IGマリーのシナリオみたいなものです。半ばまできましたが、意外とそのまま作っておるようです。
イーモンスターを使うようになって、練習も兼ねて書いてみたものです。
出崎統さんがいっていたと言う「脚本なんてなあ、はじめからしまいまで書いてありゃあいいんだよ」を実行してみたものでもあります。

IGマリーVS鋼鉄怪盗

シーン1深夜の銀行

踊る札びら。飛び散る建物の破片。
表に飛び出してきたのは4メートルはあろうかという異形の巨人たち。
肩には覆面のマント姿の男。彼は自らを鋼鉄怪盗だと名乗る。
繁華街の銀行。通りには人と車と路面電車があふれている。
たちまち起こる大騒ぎの中、
パトカーが到着し発砲を始める。が効かない。
頻発している巨人たちの襲撃事件。警察警備隊の協力を仰いでいた。
持ち出される重火器。だが効き目は同じくない。
高笑いしつつ通りの車を蹴散らしながら逃げる鋼鉄怪盗。
そのゆく手に車が遮るように止まる。
出てきたのはふたりの男女。
女性はメイド服を着た長身の赤い目をしたマリエ。
男性は国際警察の警部である鉄泰三である。
「出たな国際警察の犬ども」
「んま、あんなこと言われてますわよ」
「ワンとでも鳴いてみるかな」
「ふん減らず口をたたきおって。蹴散らしてくれるわ」
塊となって突っ込んでくる巨人の一団。
マリエはそれに向かって走り出す。
泰三は車のうえに乗り、手を道路横の電灯に向ける。
すると電気が彼の手に火花となって集まってくる。
それを固めて巨人群に投げつける泰三。もんどりうって巨人たちは倒れてゆく。
「むうむ、ライジングサンダーとはこいつのことか...うぬっ!?」
正面から走ってきたマリエが
鋼鉄怪盗の乗った巨人にスライディングタックルをする。
どうと倒れる巨人。
「むむうこの化け物メイドめ」
「んまーどこまで失礼なのあなた。ちょっと刑務所でお勉強してらっしゃいな」
マリエは怪盗をとりおさえようと近づく。
が、素早い身のこなしで鋼鉄怪盗はビルのうえに逃げる。
「ふははそう簡単につかまるものか、
いいか、今夜は借しにしておいてやる、この先を楽しみにしていろよ」
見送るしかないマリエと泰三。

シーン2診療所
「だいぶ無理をしとるな、おまえさんもそうわかくないんだぜ」
「んま、センセ、今のセリフがあちこちできたすり傷よかマリエには堪えましたわ」
マリエを診察しているのは診療所の医者である、間代作である。年のころ五拾後半、半眼であり、うつろな方には深い傷がある。だけでなく、彼の体は拷問傷だらけである。戦時中、人体兵器の開発を拒んだために投獄をされ、終戦を迎えた。
ホルスト・ヘッケナーブレンと並ぶ機械細胞学の権威であり、彼とは知己であった。
だから、マリエがこの一見粗暴な老年に使えているのは奇遇ではない。
「ゆうべの騒ぎを扱った新聞だ」
「あらま派手なこと」
「こいつも舶来だ」「は?」
「英国の研究機関から盗みだされたものらしい。この妙ちくりんなヘルメット、こいつでロボットを操っているんだな」
「アイアンファントムというのは」
「つまりロボットを盗んだ野郎がそれ以来使っている通り名だ。鋼鉄なのはロボットだろう、虎の威を借りる狐もいいところだな」
「いやま、おっしゃる通りだがね」
3人の後ろから男が話し掛ける。
「あんたは」
「患者ですよ。ひさしぶりに日本に帰ってきたんだが、どうやら生みずにあたったらしくてね。
どこにいっても休診だといわれるんでさ」
「ほかが休みならうちだってそうだわい、
これでも飲んどれ」
渡されたのは正露丸である。
「こりゃどうも、おやさしいこって」
看護婦が入ってくる。
「鉄さん、お電話ですよ」

シーン3 市街、そこへ至る車の中

「今度はロボットの集団だと?」
運転しているのは泰三、助手席にマリエ、後ろにはなぜか先刻の正露丸男。
「各銀行を襲撃している。規則性は認められない。」
「くそう、どうしたわけだ」路地に車を止め、降り立つ3人。
「だめだ、かたっぱしから潰すには量が多すぎる。」
「だが先だってのロボットよりはなんとかなっております、警察や警察予備隊も善戦を」
「妙だなこいつは。」
「そのとおり」
「なんだと?」
「昨日おたくたちがやりあったのは、英国情報部がドイツからかどわかした科学者に作らせた、ヒューマノイドタンクだ。あんながらくたじゃない。」
「どこかに一斉に操るコントローラーがあって、それにすいよせられているだけだ」
「なんでおまえさんはそんなことがわかるのだ、探偵かなにかなのかね」
「じゃあこれはオトリだというの、目的はなんなの」
「連中のつまりロボットの動力だが、
ニューコークスを使っている。しかしそれが採れるところはわずかしかない。その場所が」
「日本だというの」
「もっといえば今横浜へ向かって走っている貨物列車の中だ」
路地の奥、リモートコントロールロボット軍団がゆっくりと歩いている。
それを見ている3人。
マリエは車に走りこみ、ふたりもそれにつづく。
車をバックで急発進させるマリエ。
ロボットの直下でハンドルを切る。
足元をすくわれ倒れるロボット。
そのまま猛スピードで走っていく三人を乗せた車。「うほー」
「地図!」「ああはいはい」
「町の方はどうするんだマリエ」
「止めている時間がありませんわ、
おまかせします、ライオン・デンさん」
「やれやれキビシイよなあおまえさんは」
「赤チン後で塗ってあげますわよ」
走っている車のままドアを開け、躍り出る
鉄。
「激しいねえおたくたち」
「見えたわ」
平原を走る貨物列車。そこへ車をバウンドさせながら突っ込んでいくマリエ。

貨物車の上ではくだんのロボットがうごめいている。
「ハンドル持ってて」「おいおいおいおい」
車の屋根から貨物車の屋根に飛び移るマリエ。

ロボットもマリエに気づく。
走っている貨物列車の上、殺陣が始まる。
荷台を踏み潰しながら近づくロボット。
パンチがマリエの頭上を襲う。それを受けるマリエごと荷台が激しくつぶれる。

一方、市街地では警官隊がリモコンロボットに苦戦をしている。
そこへ、車の上に立った鉄の姿がある。
彼は手をかざし、近くの電灯から電気を集めるとリモコンロボットたちに投げつけた。

再び戻って貨物列車の上。
マリエはパンチを受け止め盛り返そうとしている。
が、背後から轟音が響き、あかい色の同型のロボットが現れる。肩にはアイアンファントムが乗っている。
「もう一体!?」
「そうよ、なんのためにこのニューコークスを奪おうとしたと思う。町を歩かせているロボットなどいくらでも作れる。だがこのヒューマンタンクは芸術品だ。これを量産できれば世界を思い通りにすることができるのだ。」
「いやだからそいつはこまるんだがな」
「!?」
見るといつの間にかマリエたちにくっついてきた男が貨物列車に立っている。
「おまえはだれだ!」
「そいつをおまえさんたちから横取りされたものさ」
アイアンファントムの乗ったロボットが
男を潰そうとパンチを繰り出す。列車が激しく揺れる。男はヒラりとかわす。
「そいつを作ったレーチェルカウフマン博士に頼まれてな」
マリエは怪訝な顔をする。
「どういうことなの、博士を殺したのは」
「そいつだよ。だがアイアンファントムが殺したんじゃあない。なんとなれば」
繰り出されるロボットのパンチを手のひらで受け止め、押し返してゆく男。
「アイアンファントムとは、ほんらいこういう意味だからさ」
男の腕の服が破れる。そこから現れたのは鋼鉄でできた腕である。
バキッと凄まじい音がして、男がロボットの腕を引きちぎる。
「それっ」
アイアンファントムがマリエの方に
ロボットを投げつける。
マリエは片腕を剣に変化させ、一刀両断にする。
激しい爆発。列車は脱線し谷底へ。
「おぼえていろ」
港では密輸船が待っていたが引き上げていく。
「どこの国だか組織だか知らないがごくろうなこった」
「まだきいてませんわよ」「あん?」
「あなたの目的です」
「カウフマン博士はそのなんだ、おれのかかりつけの医者みたいなものさ」
「おれは彼女に頼まれてね、彼女が戦争後作らされたロボットや研究の始末を請け負っていたのさ。でいつのまにかついたあだ名が」「アイアンファントムってわけ?」
「そう」
「あなたも博士に?」
「そう」
「なのに博士に手を貸した?」
「彼女に体の面倒を見てもらわないとおれは遠からずおだぶつになっちまうんでね」
「でも彼女は殺されてしまった。それはあなたの死をも意味する。なのにここまで追いかけてきたのはなぜ。」
「質問が多いなメイドさん」
「こたえをきいてないわ」
「約束したからだよ満足かい」
「ええ満足よアイアンファントムさん」
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